《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)
「なるほど。確かにマミーが亡くなった場所だし、トド松にとっては愛するゆりちゃんと出会った思い出の場所でもある。行っているかもしれないな」
カラ松さんも納得した表情。
「でも、銀行に入るなんて無理ですよね?」
「ゆりちゃん、知らないのか? 赤塚銀行本店は移転して今はあの場所にはないんだ。跡地は建物をそのまま利用して区の資料館になっている」
知らなかった。
そういえば、もうずっとあの銀行は利用していない。
「ご母堂のお墓と赤塚銀行跡……どちらも可能性がありそうだな。ゆりくん、手分けして行くか」
チョロ松警部が帽子を被り直す。
「あの……こんなこと言いたくないですけど、トド松先輩が一松さんを狙う可能性はありませんか?」
私はずっと気になっていたことを口に出してみた。
考えたくはないけど、トド松先輩は一松さんを深く恨んでいた。
「一松ならここにいるぞ?」
カラ松さんが執事を見る。
「念のため、お部屋を確認して参りましょう」
執事はすぐにその場を去った。
「一松さんがここにいるって、どういうことですか?」
「一松にも庭師としてまた働いてもらっているんだ。住み込みだから、ずっとこの館にいる」
執事はすぐに戻ってきた。
「一松は部屋で寝ております」
チョロ松警部が頷く。
「よし。一松さんの安全を考えて、館にも捜査員を配置しよう。すぐに署に連絡するよ。僕たちは銀行と墓だ」