《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)
カラ松さんも全然知らないなんて……。
一体、どうやって探せばいいんだろう?
私は警部を見上げた。
「どうします? 時間がないですよ? もしかして、県外に行ってしまっているんじゃ……」
「いや、トド松くんは優秀な捜査官だ。闇雲に遠くに逃げたところで消耗するだけだと分かっているはずだ。下手に移動はしないだろう。絶対に何か目的があるんだよ。会いたい人に会うとか、思い出の場所に行くとか……」
「あ、そういえばマミーの墓が都内にある」
カラ松さんの言葉にチョロ松警部が手を打った。
「可能性はあるな。行こう、ゆりくん」
「お待ちください! もう一つ心当たりがあります!」
カラ松さんの後ろに控えていた執事だ。
私たちは一斉に彼を見た。
「何かあるのか?」
執事は頷く。
「赤塚銀行です。トド松様はこの館に住んでいるときに、よく赤塚銀行に足を運んでおりました。奥様が亡くなった場所だから特別な思い入れがあったようです」
赤塚銀行……。
今から15年以上前、私とトド松先輩は赤塚銀行強盗未遂事件に巻き込まれた。
そして、トド松先輩の母親は犯人の発砲した銃弾に撃たれ、亡くなったのだ。