《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第5章 女王様への黄色い嫉妬(※十四松)
「僕が好きなのは、ゆりちゃんだからっ! トト子ちゃんじゃなくて、ゆりちゃんがいいの!」
真っ赤な顔をして叫ぶ。
十四松さんが私のことを好き?
本当に?
一瞬の沈黙の後、十四松さんが我に返ったように声を上げた。
「あっ! ご、ごめん! 大きな声出して!」
「いえ……」
十四松さんが真っ直ぐな目で私を見つめる。
「本当だよ。僕ね、ゆりちゃんのことが好き」
いつもとは違う表情と声に胸がドクンと音を立てた。
「でも、なんで私を?」
「だって、ゆりちゃんって可愛いんだもん」
十四松さんの手が静かに伸びてきて、そっと私の頬に触れた。
心臓が大きな音を立てる。
「あの……」
戸惑う私に構わず、柔らかい手が頬をそっと撫でた。
「ゆりちゃん……」
すうっと手を滑らせ、私の唇に触れる。
「っ!」
思わずビクリと体が震える。
十四松さんの指がそっと私の唇をなぞった。
「可愛いよ、本当に」
呟くと、もう片方の手で私の肩を掴んだ。