《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第26章 十四松END〜鑑識さんとわたし〜(※)
ノックをしてそっと扉を開ける。
点滴に繋がれベッドで横になっている痛々しい姿が見えた。
「十四松さん……」
私の声にパッと目を開ける。
ニコーッと笑顔でこちらを見る彼。
「あはー! ゆりちゃんだー!」
「十四松さん、ごめんなさい……」
「なんで謝るのー?」
いつも通りの元気な声。
それがまた余計に胸を締めつけられる。
「私がちゃんとチョロ松警部の話を聞いていれば……。十四松さんが撃たれたのは私のせいなんです」
「別にいいよー! 気にしない気にしない! ハッスルハッスル! マッスルマッスル!」
ベッドから起き上がることもできないのに、私を元気づけようとしてくれる彼。
「ううっ……本当に……ごめんなさい……」
涙が溢れてきた。
情けない。
私、何やってるんだろう。
「ゆりちゃん! 泣かないで!」
目の前の十四松さんが涙でかすむ。
「うっ、でもっ、私っ、十四松さんに……う、迷惑かけてばかりで……」
「迷惑じゃないし!」
「っ、でも、気持ちだって……っ、ちゃんと伝えられなくて……」
「じゃあ、今、伝えて」
十四松さんの声が静かに響いた。
「今……?」
目を上げる。
彼がじっと真剣な顔で私を見ていた。
「ゆりちゃん、僕と一緒にいたいって言ってくれたよね? セクロスだってできるって言った。ねぇ、僕のこと、好き……?」