《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第26章 十四松END〜鑑識さんとわたし〜(※)
「いいんですか?」
「ああ、十四松さんも、君に会いたいだろう」
その場を離れようとすると、トト子さんと目が合った。
「新人さんと十四松くんって、まだ付き合ってなかったのね。トト子、てっきり二人は恋人だと思ってた」
「え、恋人……?」
「十四松くんが新人さんのこと好きって、はたから見てればバレバレよ? それに新人さんも十四松くんのこと好きでしょ? 焦れったいから、さっさと付き合えばいいのに」
「私って……十四松さんのこと好きなんですか?」
変な質問をしてしまう。
「あら、違うの?」
違わない……。
私は十四松さんのことが好き。
だったら、やるべきことはただ一つ。
「トト子さん、すみません。警察病院に行ってきます!」
「ハイハイ。弾の摘出手術はもう終わったって、連絡あったわよ。命に別状はないって。よかったわね。お二人仲良くね〜」
トト子さんがニヤリと笑った。
「はい、ありがとうございます!」
走り出すと、後ろからトト子さんの声が聞こえてきた。
「あー、トト子、幸せなカップル見るの大キラーイ! さ、今日もスピード違反を捕まえまくって、憂さ晴らししよーっと!」
車に乗り込んで、病院に向かう。
十四松さんの顔を見たら、なんて言えばいいんだろう?
犯人は捕まりましたよ、とか。
怪我はどうですか、とか。
ゆっくり休んでください、とか。
でも、一番伝えたいことは違う。
たった一つ。
あの言葉。
警察病院に着くと、私はすぐに十四松さんの病室へ向かった。
意識はもう戻っているらしい。