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《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第26章 十四松END〜鑑識さんとわたし〜(※)


トラックがスピードを落とす。
柵に囲まれ、様々な形の金属が雑然と積み上げられた工場に入っていく。

「ゆりちゃん、さすが! やっぱりスクラップにするつもりだ」

「十四松さん、どうします?」

「潰される前に止めよう!」

私たちは車を停めると、ばらばらと駆け降りた。
トラックから降りた男がすぐに私たちに気づく。

「お前ら……ここまで来たのか……」
目を丸くする男。

「ゆりちゃん、工場の人に事情を話してきて。僕は彼と話す」

「分かりました」

建物に向かって私は歩き出した。 


男を捕まえて、事件が解決したら、ちゃんと十四松さんにもう一度気持ちを伝えよう。

さっきは曖昧なことを彼に言ってしまった。
でも、私は十四松さんとずっと一緒にいたい。
彼から離れたくない。

それははっきりとしている。

これがきっと好きっていうことなんだ。

だから、もう一度、ちゃんと……。


「おい! 来るな!」
背後から男の怒鳴り声が聞こえる。

「落ち着いてー! 大丈夫! もう一度お話を伺えますかー?」
十四松さんの明るい声。


業者の事務所らしきドアを見つけ、私はインターホンを押す。

『はい。赤塚金属です』

「突然すみません。警察です。至急お話ししたいことがあって――」

大きな音が耳を劈いた。
言葉は遮られた。

今のは……銃声……?

振り返る。

目に飛び込んできたのは、男の前に倒れ込む十四松さんの姿だった。


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