《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第26章 十四松END〜鑑識さんとわたし〜(※)
『轢き逃げ? どういうことだ?』
チョロ松警部の声。
私は男の家を見下ろした。
「警部、その犯人の居場所なら分かります。今、私たちが見張っているところです」
『何だって? ゆりくん! そいつに接触するな! 我々が行くまで絶対に動くんじゃない!』
「ゆりちゃん! あいつが出てきた!」
十四松さんが立ち上がる。
見ると、男が家の中から出てきたところだった。
いそいそとトラックに乗り込む。
周りを見回しているから、警戒しているに違いない。
「警部、男が移動します。犯行に使ったトラックをどこかに隠すつもりかもしれません。すぐに追います」
『だめだ! 動くな! ゆりくん! そいつは!』
トラックが動き始めた。
「ゆりちゃん、行こう!」
十四松さんが走り出す。
「警部、すみません。一旦切りますね。大丈夫ですから。GPSを入れておくので、応援をお願いします」
『だめだ! ゆりく』私は電源を切ると、十四松さんの後を追って階段を駆け下りた。
チョロ松警部の応援が来るまで、とにかく男を見失ってはいけない。
「ゆりちゃん、トラックのナンバー控えてある?」
十四松さんが振り向く。
「はい、大丈夫です」
「すぐに車に戻ろう」
トラックが出ていった方向を確認してから、私たちは車に乗り込んだ。
「トラック見つかりますよね?」
「たぶん、大丈夫」
十四松さんがハンドルを回す。
トラックを追って幹線道路に入った。