《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第26章 十四松END〜鑑識さんとわたし〜(※)
「さっき私のことまだ好きって言ったじゃないですか! それでも警視庁に行きたいんですか!?」
こんなことを言ってはいけない。
なのに、止められない。
十四松さんが悲しそうに私を見つめた。
「好きだから警視庁に行くんだよ……」
「えっ……?」
私は驚いて十四松さんを見つめた。
「ゆりちゃんにお兄さんのように慕ってもらえて嬉しいけど、やっぱり辛いんだよ……。そばにいると押し倒したくなるし……」
「…………」
辛い? そんな風に思っていたの?
いつもあんな笑顔だったのに。
「このまま赤塚署にいたら、いつかゆりちゃんに彼氏ができるのを見なきゃいけないでしょ? もしかしたら他の男と結婚するかもしれない。そんなの僕は見たくないんだ……」
「…………」
「僕たちは一緒にいないほうがいいよ。振り向いてもらえるまで待とうと思っていたけど見込みないし。僕だっていつまでも叶わない恋を追いかけているより、将来一緒にいられる人をそろそろ探さないと……」
十四松さんが彼女を作る? 結婚する?
愕然とした。
今まで考えたこともなかった。
十四松さんが他の女の人と恋をする……。
「嫌です……」
口が勝手に動く。
十四松さんは困ったように眉を下げた。
「嫌って言われても……。きついこと言うけど、じゃあ、僕ともう一回セクロスできる? できないでしょ? 僕はゆりちゃんを抱きたいよ。男だもん」
ドクンと胸が鳴った。
抱きたい……。
はっきり言われて子宮の奥が熱を持つ。