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《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第26章 十四松END〜鑑識さんとわたし〜(※)


「ゆりちゃんは立派な警察官だよ! 自信持って仕事してねー!」

「…………」

優しい言葉をかけてくれる十四松さん。

でも、立派だから自信もってやれ、なんて……なんだか……なんだか……。

「ゆりちゃん? どうしたの?」
返事がないのを不審に思ったのか、顔を覗き込まれた。

「もう十四松さんに頼りたいと思ったらいけないんですか……?」

「へ?」

「『心配いらない』、『自信もってやれ』……つまり、僕に頼ってくるな、迷惑だってことですか?」

ちょっと何を言ってるの?
せっかく十四松さんが激励してくれたのに!

「ゆりちゃん? 僕、何かまずいこと言っちゃったかなー? ごめんね?」

まずくない! 全然まずくないです!

考えていることとは裏腹に私は十四松さんを睨んだ。

「まずいというか、いきなり突き放された気分です……なんで私を置いて警視庁に行くんですか? ひとこと相談してくれてもいいじゃないですか! 勝手に決めちゃうなんて酷いですよ!」

ああ、もう誰か私の口を止めて。 

彼が警視庁へ行くのに、私にお伺いを立てる必要なんて全くない。
完全に言いがかりだ。

でも、ずっとモヤモヤしていた原因はこれだ。
十四松さんが一人で警視庁行きを決めてしまったこと。
私は腹を立てていた。

だって、好きって言ってくれたのに。
もう私と会えなくなっても平気なの?
それでも警視庁に行きたいの?

「ゆりちゃん……勝手に決めてごめん……」
十四松さんが申し訳なさそうに俯いた。

なんで謝るの?
私が言っていることはおかしいのに。
理不尽に責められて、本当は怒るところなのに。

むしろ、怒って欲しい。
そしたら、楽になれるのに。


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