《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第26章 十四松END〜鑑識さんとわたし〜(※)
「ゆりちゃん、チョロ松警部に捜査が終わったら連絡くれるようにメッセージ送ってくれるかなー?」
「分かりました」
メッセージを送ると、あとは特にやることもなく。
私たちは男の家を眺めながら、並んで座った。
空は高く、雲ひとつない快晴。
秋の涼しい風が二人の頬を撫でていく。
「ゆりちゃん、喉乾いてない? 大丈夫?」
「大丈夫です」
まさか鑑識の十四松さんと一緒に張り込みをするなんて、すごく新鮮。
十四松さんも同じことを思ったのか、
「ゆりちゃんはよくこうやって張り込みしてるんだよねー? 大変じゃない?」
「大変というか……ひたすら忍耐ですね。でも、今日は気候がいいから平気です。真夏の張り込みは大変ですよ。あと夜中も。建物の中か外かでも違いますけど」
「そっかー。仕事の話になると、ゆりちゃんはカッコいいねー!」
十四松さんがニコニコ笑う。
「え? カッコいい?」
私が?
「うん! 配属になってまだ数ヶ月なのに、すっかり刑事の顔してるよ!」
「本当ですか?」
思わず自分の頬をぐにぐにと触ってしまう。
刑事の顔って、どんな顔?
私、そんな顔してるの?
十四松さんは満足そうに息を吐いた。
「これなら僕がいなくなっても安心だねー! 研修に来た頃は危なっかしくて心配だったけど」
「…………」
僕がいなくなっても……。