《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第26章 十四松END〜鑑識さんとわたし〜(※)
「じゃあ、やっぱり轢き逃げの犯人ですか? 捕まえます?」
十四松さんは首を振った。
「まだ早いよー! 今、チョロ松警部は図書館の聞き込みをしてるんだよねー? 少し待とうか。たぶん、色々分かると思うよ!」
色々分かる……?
どういう意味?
「とりあえず、行こっか」
十四松さんは、黙り込んだ私の手を取る。
「行くってどこに……?」
「男の家の向かいにマンションあったよね? しばらく屋上から男を見張ろう。僕たちがトラックのことを聞いたから、あいつ逃げ出すかも」
「他の家の聞き込みはどうするんですか?」
「他の家? 聞き込みする必要なんてないよ!」
「えっ!?」
十四松さんは強引に私を引っ張った。
何を考えてるの?
必要ないって……。
仕方なく十四松さんに従う。
この建物は、オートロックではないらしい。
結局、簡単に入れてしまった。
階段の横にあったエレベーターで屋上へと上がる。
ラッキーなのか、屋上の扉も鍵はかかっていなかった。
「十四松さん、このマンション、不用心すぎません?」
「確かに!」
屋上から覗くと、男の家がよく見えた。
こちらの建物のほうが高いから、窓から2階の部屋の中も少し見える。
雑然と物が散らかっているのが遠くからでも分かった。