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《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第26章 十四松END〜鑑識さんとわたし〜(※)


「へぇ……そうなんだ……」
十四松さんの目が光った気がした。

「トラックが何か?」

「いえ、特にはないですよ。では、失礼します」

十四松さんが私の手を引っ張る。
急いでいるようだ。

私たちは足早にその場を去った。

「あの、十四松さん。他の家の聞き込みは……?」

「いいから黙って付いてきて」

彼は住宅街の外れまで一気に歩いた。

「あの、でも、まだ捜査が……」

十四松さんが足を止める。

「あはー! ごめんね! もう話しても大丈夫! 協力ありがとー!」
途端にいつもの明るい彼に戻った。

十四松さんって、人前では大人な喋り方なんだよね。
いざという時は、ちゃんとしてる。
このギャップがデキる男っぽくて、カッコいいなあと思ってしまう。

「十四松さん、聞き込みお上手ですね。普段は鑑識の仕事をしてるのに」

「そりゃ、僕だって元々は普通の警察官で、聞き込み捜査もしていたからねー! 鑑識の仕事は何年か前に鑑識課に配属になってから始めたんだよー」

そっか……私は鑑識の十四松さんしか知らない。
でも、別の課にいた頃もあったんだ。

どんな感じで仕事していたのかな。
自分の知らない十四松さんがいることになぜか少し嫉妬してしまう。

「それで……結局、あの男性は怪しいんですか?」

「う〜ん、ゆりちゃんは気づかなかったの?」

「え?」

十四松さんは得意そうに笑う。
「あの人、トラックの話が出た途端、視線がうろうろ定まらなくなったし、スエットの裾ばかり弄ってたよ。言葉も急にゆっくり丁寧になった。何かごまかしたい時によく出る特徴」


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