• テキストサイズ

《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第5章 女王様への黄色い嫉妬(※十四松)


歩いてくる様子を何となく眺めていると、違和感を感じた。
じっと見てみる。



顔が白い……?



違う。
顔が白いわけじゃない。



白色の仮面を被っているんだ……。


私に向かって歩いてくる人物は、異様な格好をしていた。

見覚えのあるジェイソンのアイスホッケーマスク。
茶色のエプロン。
左手には鉈、右手に金槌。

仮面にも鉈にも血のような赤い液体がべっとりとついている。


『よくニュースになっているのにゆりちゃんは知らないの? 仮面の通り魔は、アイスホッケーマスクを被って、赤塚区の公園に出没するんだよ』

トド松先輩の言葉を思い出した。



間違いない。
今、目の前にいるのは『仮面の通り魔』……。


ゆっくりと、しかし、確実に私に向かって真っ直ぐに近づいてくる。


逃げる?
応援を呼ぶ?
……だめ、間に合わない。


反射的に腰に手をやる。
しまった。帰るところだったから、拳銃は署に返して持っていないんだった。

私はベンチに座ったまま、身構えた。
もう逃げられる距離じゃない。

自分の足がカタカタと小刻みに震えていることに気づいた。
まるで自分の足じゃないみたい。
止めようと力を入れても震えを止められない。

目の前まで来ると、通り魔は私をじっと見下ろした。


/ 724ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp