《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第26章 十四松END〜鑑識さんとわたし〜(※)
「ゆりちゃん、好き……」
耳元で少年のような声。
十四松さんの唇が耳の後ろをちゅっと吸う。
「あっ」
ビクンと体が震え、顎が上を向いた。
臀部を撫で回す力強い手。
十四松さん、こんなところで……。
彼の唇が頬へ滑る。
抵抗する間もなく、私は唇を奪われていた。
大きな唇が静かに私の唇を吸い、舌が入ってくる。
十四松さんの温かい息。
そのキスは腰がくだけそうになるほど、優しかった。
「っ……」
息が上がる。
だめ……こんなこと……。
頭がうまく働かない。
とろけそうな口づけに我を忘れそうになる。
十四松さんの舌の動きに合わせて、私も舌を絡ませようとした瞬間、1階に着いたことを知らせるチャイムが鳴った。
彼が素早く離れる。
後ろの壁にもたれ、崩れ落ちそうな体をなんとか支えて前を見ると、ドアが静かに開いた。
「降りようか、ゆりちゃん」
十四松さんがさっと口を袖で拭う。
「はい……」
今のって……。
私はどうしたらいいの……?
十四松さんのあとに続いて、フラフラとエレベーターを降りた。
まだ身体が熱い。
唇には甘い痺れが残っていた。
「ごめんね……忘れて。行こう」
十四松さんが申し訳なさそうに微笑む。
私は力なく頷いた。