《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第26章 十四松END〜鑑識さんとわたし〜(※)
「…………」
「あっ、でも心配しないで! 別にゆりちゃんとどうかなりたくて、食事に誘ったわけじゃないから!」
「は、はい……」
「店員さん呼ぶね! ランチメニューでいいよね?」
十四松さんは手を上げる。
私は複雑な思いでメニューをめくった。
この3ヶ月、なかなか十四松さんと顔を合わせる機会がなかった。
でも、3ヶ月前には公園で告白され、身体の関係を持ってしまったわけで。
次の日、十四松さんには『いつか両思いになれたらまたエッチしたい』と言われ……。
よく考えたら、二人きりで食事に来たのってまずかった?
「ゆりちゃんは何ランチにする?」
十四松さんの声に私は我に返った。
「あっ! えっと、じゃあ、このパスタランチで!」
「かしこまりました」
店員がメニューを素早く片付ける。
いやいやいや、もう3ヶ月経ったんだもん。
十四松さんがあの時と全く同じ気持ちでいるはずがない。
今も私のことを好きでいてくれるだろうなんて、さすがに自意識過剰だよね。
食事に誘ったのも他意はないって、本人も言ってる訳だし。
「あー、お腹空いたー! ランチ楽しみー!」
水を飲んで、耳と鼻、頭のてっぺんから吹き出す十四松さん。
もう、私のこと好きという気持ちはないんだろうな……。
少し淋しく思いつつ、私は十四松さんの水芸を眺めた。