《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第26章 十四松END〜鑑識さんとわたし〜(※)
「あっは! ゆりちゃん、オシャレなお店知ってるんだねー! すっげぇー!」
十四松さんがキョロキョロしながら席につく。
私も向かいに座った。
「ここはトド松先輩に教えてもらったお店なんです」
「トド松さんに? あー……」
途端に気まずそうに言葉を濁す十四松さん。
「大丈夫ですよ、そんなに気にしなくても。私、もう先輩の逮捕で落ち込んでたりはしないので……」
「ほんと? ならいいけど……」
十四松さんが心配そうな表情でメニューを開く。
「十四松さんはトド松先輩の話されると嫌ですか?」
「嫌じゃないよー! 僕とトド松さんは捜査の時に言い合いになることも多かったけど、別に嫌いという感情もなかったし。逮捕されたのは残念だったけどね」
そういえば、確かによく現場で十四松さんとトド松先輩は言い合いをしていた気もする。
「どうしてお二人はよくぶつかってたんですか?」
「う〜ん。なんでだろー。トド松さんはよく鑑識官を急かしていたからねー。でも、僕ら鑑識官はできるだけ丁寧に仕事したいと思っているから、考え方が反対なんだよ。それにゆりちゃんのこともあったしね」
「私のこと?」
十四松さんがまた気まずそうな表情になった。
「トド松さんはゆりちゃんのこと好きだったでしょ? 僕とゆりちゃんが仲良かったから、いつもヤキモチ焼いてたと思うよ? まあ、実際僕もゆりちゃんのこと好きだったわけだし……」