《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第25章 一松END〜庭師とわたし〜(※)
唇を離した一松さんがコツンと私の額に自分の額を当てる。
「ねぇ、ゆり……俺、ブラック工場の寮を出ることになるんだけど……」
「うん」
大賛成。出て欲しい。
「これから俺と一緒に住まない……?」
一緒に住む? あの部屋で? 本格的に同棲するって意味?
「いいですよ。ちょっと狭いけどごめんなさい」
一松さんがふっと笑った。
「そうじゃなくて。もっと広いところに一緒に引っ越そうよ……」
「それでもいいですけど……でもお金どうかなあ? 同棲でいきなり広いところも贅沢じゃないですか?」
途端に一松さんが額を離して、ジトッと私を睨んだ。
「ねぇ、誰が同棲って言った……?」
「え? 違う? あ、ルームシェア?」
「……あんたって、本当にこういう時にムードないよね……せっかく人がプロポーズしようとしているのに……」
ん?
プロポーズ?
「あの……一松さん……」
「何だよ、その不思議そうな顔! だから!」
え、プロポーズって、アレだよね?
幸せの鐘が教会でなるやつ。
あ、ホテルやレストラン、ゲストハウスでもありだけど。
ようやく一松さんの言いたいことが分かってきた。
もしかして、今、一松さんにプロポーズされかけている!?