《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第25章 一松END〜庭師とわたし〜(※)
***
「重っ……」
両手にいくつも袋を下げながら、よろよろとマンションに入る。
久しぶりにゆっくり買い物できたこともあり、荷物が多くなってしまった。
服に靴に読みたかった本、メイク用品、ついでに日用品と食料品。
全部買ったら地味に大荷物。
袋の取っ手が腕に食い込み、痛い。
でも、楽しかった〜。
仕事が忙しすぎて、服や靴を買ってもなかなかプライベートで楽しむ機会はない。
それでも定期的に新しいものは欲しくなる。
「ふぅ……」
玄関の前で一旦荷物を下ろし、バッグの中の鍵を探す。
ガサゴソと探っていると、電話が鳴った。
「えっーと……スマホ……」
鞄の奥からスマホを取り出し、出てみるとカラ松さんの声。
『おお、ガール、大丈夫か? ちゃんと帰れたか?』
どうやら心配して電話してくれたらしい。
「はい、買い物して今帰ったところです」
話しながら、片手で鍵を開ける。
『そうか。さっきは本当にすまなかったな。一松は今、庭の薔薇を植え直して帰るところだ』
「こっちに帰ってきてくれるでしょうか?」
『それは分からないが……仮に帰らなかったとしても、少し距離を置いてお互い冷静になってみるのも悪くないと思うぞ?』
確かにカラ松さんの言う通りだ。
一人になる時間が必要かもしれない。
私はドアを開けた。