《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第25章 一松END〜庭師とわたし〜(※)
「あー、えーっと、ガール? 今のは本音ではないんだろう? 一松を愛してるよな? な? ほら、一松、ゆりちゃんも本音じゃないって言っ」「本音です」
カラ松さんは言葉を失った。
確かにここまではっきり言われたらもうフォローしようがないのだろう。
頑張って執り成そうとしてくれているところ、申し訳ないけど。
「あっそ……分かった。俺みたいな底辺のクソが勘違いして、家に転がりこんで、身の程知らずにもエッチまでして、どうもすみませんでしたね……」
一松さんの声音が一段と低くなる。
明らかに怒気を含んでいる。
「そうじゃなくて! 私は一松さんに卑屈になんてならないで欲しいんです! だって……」
最後まで聞かずに一松さんは後ろを向いた。
「おい、クソ松、家に帰るんだろ? 俺も乗せていけ」
「え、でもゆりちゃんは……?」
カラ松さんが困ったように私たちを交互に見た。
「この女は放っておけばいい。それより庭の薔薇を見せろ。どうせ狭い風通しの悪い場所に土も変えずに全部植えたんだろ? 剪定はしたか? このままだとあっという間に病気になる」
一松さんはカラ松さんの手から無理矢理、車の鍵を奪った。
「おい、一松! 本当にいいのか?」
「いい。早く行こう」
さっさと車の鍵を開け、一松さんはもう助手席に乗り込んでいた。