《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第25章 一松END〜庭師とわたし〜(※)
「クソ松、てめぇ、希少な薔薇を適当に植えやがって、おまけにゆりを襲おうなんて……」
カラ松さんの襟を掴み、今にも殴りかかりそうな雰囲気の一松さん。
「待て! 一松! 半分合っているが半分は違う! 薔薇は確かに植えたが、ゆりちゃんを襲うつもりなんてないぞ!」
「あぁ? でも、ゆりを抱いたことはあるだろう?」
「そ、それは2年も前の話だ!」
一松さんは襟を離すと、今度は私に詰め寄ってきた。
「ゆり……お前もだ……なんでノコノコとこいつなんかに付いていく?」
「なんでって、普通にお友達ですし……」
「『友達』って、セックスしたことあるやつには使わないだろ? お前がそんなんだから、クソ松の野郎が勘違いするんだ……」
かなりご立腹な一松さん。
怒りはなかなか収まりそうにない。
たぶん、今は何を言っても納得なんてしてくれないだろう。
私もカラ松さんもどうしていいのか分からず黙り込んだ。
「おい! なんで二人揃って黙るんだよ!」
「だって……」
「ああ、そういうこと? 俺みたいなクズで社会のゴミは話す価値もないってことですか? 確かに二人はお似合いですよね……。俺とゆりは別に付き合ってるわけでもないし、クソ松との仲に口を出すのはお門違いってやつですよね……」
一松さんの卑屈な一人演説が始まる。
私は呆然とそんな彼を見つめた。