《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第25章 一松END〜庭師とわたし〜(※)
「一松?」
「一松さん?」
私たちは同時に彼の名を口に出した。
当の一松さんは目に見えるぐらい負のオーラを漂わせてこっちを睨んでいる。
「どうしたんですか? なんでこんなところに?」
「それはこっちのセリフなんだけど……あんたら二人で何隠れてコソコソやってんだよ……」
「隠れて?」
私の返しには反応せず、カラ松さんににじり寄る。
「おい、クソ松……お前まだゆりに気があるのかよ……」
「は!? い、いや、誤解だ、一松。俺は別に何も……」
「じゃあ、なんで二人でこんな家から離れた場所で会ってんだよ……? しかも、今から車でどこか行こうとしてただろ? ホテルでも行くつもりか?」
「ホテル!?」
私が声を上げると、カラ松さんは慌てて私の腰から手を離した。
「ち、違うぞ、いちまぁつ! 断じて違う! 庭に新しい薔薇を植えたからゆりちゃんに見てもらおうと思って……」
「新しい薔薇?」
一松さんがカラ松さんを睨む。
「ああ、希少種を何種類か。先週、植えたんだ」
「……まさか全部同じ場所に植えてねぇだろうな?」
「植えたがダメだったか?」
「土は?」
「土? 特に変えてはいないが……」
一松さんの顔がみるみる強張る。