《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第25章 一松END〜庭師とわたし〜(※)
「お客様、大丈夫ですか?」
見かねた店員が優しく声をかけてくれるが、よく見ると目は笑っていない。
「ああ、すまない、カラ松ボーイ。少々興奮して、俺の熱きレッドブラッドがスプラッシュしてしまったようだ……。悪いが、ソフティな天使の羽根をくれないか?」
「はぁ?」
店員の顔が険しくなる。
「あ……いえ、ティッシュ下さい……」
カラ松さんが弱々しく言うと、店員は「かしこまりました」と素早くティッシュの箱を持ってきてくれた。
「カラ松さん、大丈夫ですか?」
「ああ、下は大丈夫ではないが、な……」
ティッシュで鼻を拭きながら、フッと前髪を弄ってみせるカラ松さん。
「私は一松さんのことが心配なんです。このまま、ブラック工場にいても早死にして敷地内にある墓に入るだけです。私の家にいる今が工場から引き離すチャンスだと思うんです」
必死に伝えるとカラ松さんは大きくため息をついた。
「ガールの言いたいことはよく分かる。俺だって一松が心配だ。このカラ松にわざわざこうやって一松のことを知らせてくれるのもありがたい。でも、本人にその気がないならどうしようもない……」
「それはそうなんですけど……」
そう、カラ松さんをカフェに呼び出したのは私。
一松さんのことを相談したかったのだ。