《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第25章 一松END〜庭師とわたし〜(※)
「ねぇ、ゆりって明日も仕事……?」
リビングに戻りながら、かまってほしい猫がやるみたいに、くいくいっと袖を引っ張ってくる一松さん。
「うん……残念だけど、明日も仕事」
正直、しばらく仕事をしなくて済む一松さんが羨ましい。
好きな仕事とはいえ、やっぱり休日は欲しいもの。
「じゃあさ、1回だけでいいから、しよ……」
甘えるように後ろから抱きついてくる。
「え、初日から?」
「初日だからでしょ……」
耳元で囁かれ、鼓動が早くなった。
そりゃ、一緒に住めば当然そういう流れになるけど、こんな簡単に流されていいのかなという気持ちもある。
うん、今更だけど。
「ごめん。今日は疲れちゃいました。仕事終わってから荷物運んだし」
するりと腕を抜けると、一松さんは顔を顰めた。
「チッ……何だよ……」
「もう22時過ぎてますよ? とりあえずお風呂入って寝ましょ? 先に入っていいですから」
優しく諭すと、納得したのか一松さんはこくんと素直に頷く。
「じゃあ、入ってくる……」
「うん」
彼がバスルームに入るのを見届けて、一人でリビングに戻った。
置いてあるものは変わっていないのに、住む人が増えたら、自分の部屋ではないみたいだ。
「あ、そういえば、洗濯物!」
仕事に行く前に朝干してから、そのままになっていたんだっけ。
私は慌ててベランダに出た。