《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第25章 一松END〜庭師とわたし〜(※)
「さっさと用件を言うザンス! 中には入れないザンスよ!?」
一刻も早く追い返したいという雰囲気のイヤミさん。
私だって別に来たくて来ているわけじゃない。
ため息をつきながらイヤミさんを見上げた。
「通報があったんですよ。この工場で違法なキモチイイ薬を作ってるとか?」
「っ!? つ……作ってないザンス!」
イヤミさんの額に汗が浮かぶ。
「なら、調べてもいいですか?」
「また捜索ザンスか!? だめザンス!」
そう言うと思った……。
私は胸ポケットから書類を取り出した。
「でも、令状が出てますよ。これが捜索令状、こっちが差押令状、ついでに逮捕令状。もう面倒だからさっさと逮捕してこいって署長に言われました」
「シェーッ!? 適当すぎザンスッ! 誤認逮捕だったらどうするザンス!?」
「え〜でも、本当に作ってません? いいんですか? 今のうちに自己申告しておいたほうが裁判で有利になると思いますけど? 何せ、イヤミさんは前科が多いのでタダでさえ不利ですからね〜」
「ぐっ……! わ、分かったザンス。実は、作ってる……ザンス……」
イヤミさんが苦しそうに吐き出す。
「はい、自白」
「シェ?」
私は振り返った。
「捜査員のみなさーん! 自白取れましたー! 全部押収しちゃってくださーい!」
わらわらと車から捜査員たちが降りてくる。
「シェー!? ちょ、ちょっと待つザンスー!」
「はいはい、待たないざーんす! 午後2時40分、赤塚薬物取締法違反で逮捕」
ガチャリとイヤミ所長の手首に手錠をかける。