《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第24章 チョロ松END〜警部とわたし〜(※)
「…………」
暗闇の中、パトランプの赤い光が窓から入ってくる。
私はぼんやりと点滅する光を眺めた。
もう、自分に嘘をつくのは限界かもしれない。
上司と部下。
ずっとこの関係を守ってきた。
でも、私は一人の男として警部を見ている。
あの時、犯人の車の後部座席で盗聴器の音を聞きながら、私はすごく嫉妬していた。
にゃーちゃんに取られたくない、にゃーちゃんに負けたくない。
そう思っていた。
警部に触るのは私だけ。
他の人には触らせたくない。
「ゆりくん……答えは聞かせてくれないのか?」
私はチョロ松警部の腕の中で身体を回し、向かい合った。
「私、警部のことを上司として本当に尊敬してます。警部の下につけて幸せです。のびのび仕事をやらせてもらって、色々教えてもらって」
警部が優しく笑う。
「それじゃ答えになっていないな……」
分かっている。
なかなか言えない。
この答えを言えば、私たちは上司と部下ではなくなってしまう。
その時、痺れを切らした警部が私をさらに抱き寄せた。
「ゆりくん、ごめん。もう悠長に答えを待ってられない。我慢できないんだ。なら、僕から言うよ。ゆりくんのことが好きだ……。ただの上司ではいられないんだよ。ゆりくんが欲しい……」