《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第5章 女王様への黄色い嫉妬(※十四松)
「これは……動物の毛ですか?」
「そう! 猫の毛!」
猫?
即座に一松さんの顔が浮かんだ。
「あの! 何色の猫ですか?」
「んー残ってたのは白と黒の毛。たぶん同じ猫のものだと思うよー」
事件のあった日、一松さんが裏庭で撫でていたミーコは、白黒柄だった。
ミーコの毛がデカパン所長の遺体についていた、ということは……。
「ゆりちゃん、大丈夫? なんか顔色悪いけど」
「…………」
黙り込んだ私を見て、十四松さんは声のボリュームを落とした。
「何か思い当たることがあるの?」
「え? べ、別に……」
十四松さんはしばらく私を見つめていたが、やがてニコッと笑った。
「ゆりちゃん、今日の夜は早く上がれる? 何か美味しいものを食べに行って、気分転換しようよ!」