《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第5章 女王様への黄色い嫉妬(※十四松)
「もしかして、幽霊の呪いってやつ!?」
「呪いなのかは分からないですけど、声を聞いていたら、アバラがだんだん痛くなったような……」
「何それ!? 幽霊こわー!」
十四松さんは大袈裟に両手を上げた。
「でも、幽霊なんているわけないですよね……」
「カラ松さんだったんだよね? 僕、洋館の殺人事件の捜査した時に彼の遺体を見たけどね」
実際に遺体を見た?
私は十四松さんを見つめた。
「そうなんですか? 遺体は何か変わったことありました?」
「んー……なんかあの時、やたら和んでたからあんま覚えてないや!」
「えっ? なご……?」
聞き間違い?
和んでたって言ったような……?
意味が分からず聞き返そうとするも、十四松さんは気にする素振りもなくニコニコと笑った。
「ゆりちゃん、また洋館の捜査に行くんでしょ? 次からはちゃんと誰かと一緒に行った方がいいと思うよ!」
「そうですよね……そうします!」
カラ松さんには、『二度と来るな』と脅されたけど、通報も入っているし、また改めて捜査しに行かないといけないんだろうな……。
考えたら、憂鬱だ。
「えーっと、それで、工場の鑑識結果なんだけど……」
十四松さんが書類を渡してくれる。
「指紋はね、特に参考になりそうなものはないね! 足跡も同じ。あっ、ただ、デカパン所長のパンツと周りの床にこれが付いてたっす」
十四松さんが小さなビニル袋を振って見せた。