《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第24章 チョロ松END〜警部とわたし〜(※)
チョロ松警部が男を立たせた。
「どうやら君の目論見は全て失敗したようだな。にゃーちゃんの会社が大したことないだと? お前の計画の方がよっぽどお粗末だ。我々のような警察の存在を計算に入れていなかった」
「っ……」
男は悔しそうに警部を睨む。
「ゆりくん、署に連絡だ」
「はい」
電話を掛けようとその場を離れ、スマホを取り出す。
追ってきたにゃーちゃんに腕を掴まれた。
「刑事さん、ちょっとだけ聞いてほしいにゃ」
小声で話しかけられる。
「どうしたんですか……?」
私はスマホを下ろした。
にゃーちゃんが、そっと私の耳元で囁く。
「誤解しないで欲しいにゃ。あの刑事さんとは何も怪しいことはしてないにゃ」
「え?」
「盗聴犯が怒るようなことをわざと大きな声で話しただけにゃ。刑事さんに筆談で指示されてたのにゃ」
にゃーちゃんにメモ用紙を渡される。
そこには、細かいセリフの指示が書かれていた。
「じゃあ、見せたり触ったりしてたのは……」
にゃーちゃんが笑い出す。
「もちろん、そんなことしてないにゃ。だから、安心するにゃ」
安心って……。
ぽかんとする私ににゃーちゃんはこっそり付け加えた。
「あなたが捕まったって知ったとき、あの刑事さん、本当に慌ててたにゃ。たぶん、女刑事さんのこと大好きだと思うにゃ。あ、これは内緒ね」