《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第24章 チョロ松END〜警部とわたし〜(※)
「よし。じゃあ、1、2、3でロックを外す。助手席ににゃーちゃんが乗ったのを確認したら、この女を渡すよ」
「分かった」
話がどんどん進んでしまう。
警部……何を考えているの……?
チョロ松警部と目が合った。
彼は小さく頷く。
『ゆりくん、僕を信じて言う通りにするんだ』
口には出さないが、強い光の灯った瞳がそう言っている。
警部を信じて、今まで間違いなんてなかった。
私もこっそり頷く。
チョロ松警部を信じよう。
尊敬する私の上司なんだから。
「よし。じゃあ、行くぞ。1、2、3」
男の声とともにカチャリとドアのロックが外れる。
にゃーちゃんが助手席のドアを開け、乗り込んだ。
「おい、この女を降ろせ!」
男が私から手を離し、にゃーちゃんの腕を掴んで包丁を向ける。
にゃーちゃん、ごめんね。
絶対助けるから。
チョロ松警部が縛られたままの私をシートから引きずり下ろす。
瞬間、にゃーちゃんが包丁を避けるようにして、男に抱きつくのが見えた。
「え! にゃーちゃん!?」
男が声を上げる。
同時にチョロ松警部が素早く私の手と足のロープを切った。
口のガムテープを剥がされ、目で合図される。