《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第24章 チョロ松END〜警部とわたし〜(※)
呆然と見つめる。
何これ……。
私たちの会話をリアルタイムで聞いているってこと……?
画面を覗き込んだチョロ松警部がすぐに玄関に走り出した。
「あ、警部! 待って!」
警部は勢いよく外へ飛び出した。
私たちも続く。
高級住宅が建ち並び、落ち着いた雰囲気に包まれた通り。
怪しい人も車もない。
強いて言えば、隣の家の前に『不二照明』と書かれた商用車が停まっているが、誰も乗っていない。
「警部、誰もいません……」
「ああ……」
警部を見ると、顔が青ざめている。
「ありがとうございましたー」
隣の家の扉が開き、作業服の男性が丁寧にお辞儀をして出てきた。
男性は不二照明の車に乗り込み、運転席で書類に何かを書き始める。
私たちは何となくその姿を眺めていたが、警部がふと我に返った。
「盗聴は確実にされている。このままじゃ、にゃーちゃんが心配だ」
「そうですね。さすがに気持ち悪いです……」
振り向くと、にゃーちゃんが不安そうに私たちを見ている。
「にゃーちゃん、今日はご主人は?」
「たぶん会社に泊まりだから帰ってこないにゃ……」