《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第24章 チョロ松END〜警部とわたし〜(※)
「チョロ松警部、どうします?」
警部は険しい顔つきで腕時計を見た。
「今は夕方の5時か……。今日は泊まりこもう。危ないし、盗聴器を早く発見したほうがいい。急な話だから僕が泊まる。ゆりくんは帰っても構わない。ただ、帰る前に署に戻って、署長に報告してほしい」
「でも、泊まるって大丈夫ですか……? にゃーちゃんは人妻ですよ?」
「なら、君が泊まる? この家に、女性二人だけは危ないと思うが……」
警部の言う通りだ。
盗聴されているなら尚のこと、女性二人は危ない。
警部は女性には弱いけど、仕事を大切にしている。
きっと何もないはず。
それでも、泊まらないでほしいと密かに思っている自分がいる。
どうしてそう思うんだろう?
「分かりました……」
私がしぶしぶ了承すると、警部はホッと息を吐いた。
「刑事さんが泊まるなら準備してくるにゃ」
にゃーちゃんが慌てて家の中に戻る。
残された私たちはどちらからともなく、見つめ合った。
「ゆりくん……僕のことが心配?」
「いえ……別に……」
「そうか、妬いてくれているのかと思ったが、違うんだね」
警部が苦笑する。