《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第24章 チョロ松END〜警部とわたし〜(※)
***
「ゆりくん、あったか?」
チョロ松警部の声。
テレビの横のコンセントを覗き込んでいた私は、起き上がって首を振った。
「ありません」
「他のコンセントにもついていない。一番ありそうなのに……」
「電話はどうでしょう?」
「可能性はあるな。にゃーちゃん、リビングに電話はあるかい?」
「あるにゃ」
私たちは、盗聴器がないか電話を調べ始めた。
ここはにゃーちゃんの住まい、都会の一等地にあるオシャレな一軒家。
さすがはアイドルと今ネット事業でかなり儲けている者の夫婦。
家の中にまでお金をかけているのがよく分かる。
白と黒でシンプルにまとめられた部屋は清潔感にあふれ、置いてある家具も派手さはないが、高級だとひと目で分かる。
夫は忙しくてなかなか帰ってこないらしい。
「チョロ松警部、電話も問題ないみたいです……」
「そうか」
警部は部屋を見回した。
「メールがきたのは、リビングでテレビを見ているときでしたよね?」
私が尋ねると、にゃーちゃんが頷く。
警部も同時に頷いた。
「だから、リビングが一番怪しい。テレビ周辺が一番可能性があると思ったが……」
広いリビングには物が少ない。
カーペットが敷かれ、テレビ、ソファ、あとは小さな本棚とサイドボード、その程度だ。