《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第24章 チョロ松END〜警部とわたし〜(※)
一ヶ月前から関わっているこの案件は、最近急成長したAKTK社という会社のサーバーが頻繁に攻撃を受けているという事件だ。
捜査を任されていたが、犯人の特定ができず、本庁に捜査権を移すことになっていた。
「警部、気持ちは分かりますけど、そんな悲しそうな顔をしないで下さい。ほら、まだ別の事件がこんなにあるんですよ?」
私がデスクの上の捜査資料の山を指差すと、チョロ松警部は素直に頷いた。
「そうだな……さすがにサイバー関係の事件は、おそ松くんを呼んでも解決しないだろうしな……」
「どの事件でも解決しないと思いますけど……」
「え?」
チョロ松警部が不思議そうに聞き返した。
「いえっ! 何でもないです!」
その時、捜査一課のドアがノックされた。
「はい?」
返事をすると、ドアが開き、顔を出したのは十四松さん。
いつも通り、ニコニコと笑っている。
「チョロ松警部、ゆりちゃん、実はお客さんが来ていて……」
「お客さん?」
十四松さんの後ろから女性が現れた。
フードを被り、顔にはサングラス。
初春には似つかわしくない格好だ。
「チョロ松警部はいないのかにゃ?」
聞き覚えのある声。
「その声はもしかして……! にゃ、にゃ、にゃ、にゃーちゃん!?」
警部が瞳を輝かせて、立ち上がる。
女性は頷いてフードとサングラスを取った。