《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第24章 チョロ松END〜警部とわたし〜(※)
途端に警部は涙目になって、への字口で首を振った。
「んーー! んーー!」
「駄々を捏ねないで下さい! 行きますよっ!」
「んーー! んーー! んーー!」
警部は、にゃーちゃんから手を離そうとしない。
私は無理矢理警部を引き剥がすと、ライブ会場の外に引きずった。
「もうっ、警部はにゃーちゃんにデレデレしすぎですよ……」
駐車場まで引きずると、車のキーを開け、警部を助手席に押し込む。
「んーー……すまない、ゆりくん。大好きなにゃーちゃんがいたから、つい」
照れくさそうに笑う警部を見ながらドアを閉め、私は運転席に乗り込んだ。
ブラック工場殺人事件から、半年。
相変わらず、私は捜査一課のチョロ松警部の下についている。
毎日のようにどこかで事件は起こり、私たちは淡々と職務をこなしていた。
私はエンジンボタンを押すと、車を発進させる。
「もう! メッセのIDを交換しようとするなんて、にゃーちゃん、ひいていましたよ? 署の電話でいいじゃないですか。個人的にやり取りしようなんて……」
アクセルを踏む。
「ゆりくん、僕が個人的ににゃーちゃんとやり取りしていたら、気になるかい?」
警部が穏やかに返した。