《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第24章 チョロ松END〜警部とわたし〜(※)
「おおっ! ゆりくんもステージの前に来たのか。ここからだと、にゃーちゃんのスカートの中が見えそ……じゃなくて、にゃーちゃんのパフォーマンスがよく見えるぞ!」
警部は瞳を輝かせる。
「警部、それどころじゃないですよね? にゃーちゃんが殺されてもいいんですか?」
途端にチョロ松警部はハッと目を見開いた。
「そうだった! にゃーちゃんが可愛すぎて、つい!」
「…………」
ほんっと警部ってば、女性が絡むとポンコツになるんだから……。
「どうした、ゆりくん?」
チョロ松警部は不思議そうに私を見る。
「いえ……。それより、もうすぐ曲が終わりますよ?」
チョロ松警部が不敵に笑う。
「ゆりくん、まだ大丈夫だ。この曲は、サビの繰り返しが長いんだ! 僕たちファンも思う存分コールできる!」
「はぁ……」
そんな情報は、どうでもいいんだけど……。
その時、視界の端で何かが動いた。
ハッとしてステージに目をやると、太った男性が階段を駆け上っていく。
「っ、警部!」
私の言葉よりも早く、チョロ松警部が走り出した。
にゃーちゃんの歌声が止まる。
観客たちから起こるどよめき。
男がにゃーちゃんに駆け寄り、ナイフを振り上げた。