《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第24章 チョロ松END〜警部とわたし〜(※)
♪我儘なあなたはまるでマンチカン
♪それでも好きなのラグドール
♪昨日の夜はちょっとロシアンブルー
♪今日はふたりでエキゾチックショートヘア
曲の合間には「にゃーちゃん!」と掛け声がかかる。
私は人の波に揉まれながら、なんとかステージの真ん前に出た。
♪恋するキミはスコティッシュフォールド
♪ドライフードじゃ物足りないわ
♪でも、ウエットだけもNGよ
♪理想は両方、おやつもつけて
♪だって、あたしは欲張りなネコだから
1番のサビが終わってしまった。
時間がない。
私のすぐ隣の男性が大声で叫ぶ。
「にゃーちゃーん! 超絶可愛いよー! にゃーちゃーーーーん!」
どうする?
こうなったらステージに上がるしかない?
「にゃーちゃーん! 好きだよぉ! もう愛してるよぉ! にゃーちゃーーーーん!」
隣の男性がまた叫ぶ。
まだ、犯人らしき人物は見つからない。
イヤホンからも報告はない。
「にゃーちゃーん! もっとこっち! こっちにもキス投げてー! にゃーちゃーーーーん!」
ああ、もううるさいな。
集中できない!
私は隣の男性を睨みつけた。
……ん?
んんんんんんっ!?
「は!? チョロ松警部?」
隣でステージに向かって大声で叫ぶ男性は、チョロ松警部だった。