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《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第23章 カラ松END〜洋館の主人とわたし〜(※)


***

とある、アパートの空き室。
部屋は薄暗い。

緊張の面持ちでカーテンの隙間から外を伺っていたチョロ松警部が振り返った。

「ゆりくん、こんなこと言いたくないんだが、『それ』は何とかならないのか?」

「えっと、だめですか?」
私は顔を上げた。

「いや、だめではないんだが……」

チョロ松警部の手にはアンパンと牛乳が握られている。

私はその後ろでお重に入った豪華な中華弁当を広げていた。

「せっかくシェフが作ってくれたので、食べないともったいないので……」

チョロ松警部は、アンパンを口に放り込んだ。

「分かってる。分かってるよ。君がカラ松さんの洋館に住み始めてからもう半年。さすがに分かってるよ」

「分かってるならいいじゃないですか」

警部は首を振る。
「でも、上司がアンパンと牛乳で張り込みをしている後ろで、一面に豪華な弁当を広げられてもね……。なんか雰囲気出ないって言うか、激しくコレじゃない感があるって言うか。いや、別に僻みじゃないよ? 僻みではないんだが」

「警部こそ、張り込みでアンパンと牛乳ってステレオタイプすぎません? サンドイッチとコーヒーでもいいんじゃないですか?」

「ああ、そうだな……最近のコンビニのコーヒーの味は侮れないからな……って、違う! そういう話じゃなくて!」
チョロ松警部が大声を上げた。

「シッ! 警部! 大声出さないで下さい。ターゲットに気づかれますよ!」
口に人差し指を当てて注意する。

「ええっ、なんで僕が注意されるの……」
警部は何とも言えない複雑そうな顔をした。


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