《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第23章 カラ松END〜洋館の主人とわたし〜(※)
広いダイニングホールで、一人で食事するのは洋館に来てから初めてだ。
食べ始めたものの、なんとなく落ち着かなくて、少し食べてはホールの隅に控える執事を見る。
「橋本様、お一人の食事では淋しいですか?」
心配した執事が隣に立った。
「なんか落ち着かなくて。あの、こういう日はカラ松さんは後から食事をされるんですか?」
執事は首を振った。
「いえ。ホールに現れない日は、大抵食事はされません。念のため、軽い夜食の用意は致しますが、カラ松様が手を付けられたことはないですね」
「でも、カラ松さんの分の食事はすでに作ってあるんですよね? 全部無駄になっちゃうってことですか?」
「はい。処分致します」
執事は頷いた。
私は料理に視線を落とす。
今日はフレンチ。
メインはフィレ肉のパイ包み焼き。
もちろん、前菜もデザートも味だけでなく見た目も美しい。
どれも手の込んだ料理ばかりだ。
私は残りの食事を全て食べ終えると、ナプキンを置いた。
「分かりました。私がカラ松さんを探してきます」
「ええっ! しかし、この広さで探しだすのは……」
「大丈夫です。何度もこの洋館は捜査してますし。カラ松さんの食事を片付けるのは待って頂けませんか? すぐに見つけて連れてきますから。せっかく作ってもらったのに食べないなんてもったいない!」
私は立ち上がった。