《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第23章 カラ松END〜洋館の主人とわたし〜(※)
途端に耳まで熱くなる。
確かに彼女の言うとおりだ。
仕事から帰ってきたままのスーツ姿でうろついていたが、ゆっくり着替えてからでもいいはずだ。
すぐに夕食で会えるのに、私ってば、何でそんな必死にカラ松さんを探していたんだろう。
「き、着替えてきますっ」
恥ずかしくなった私は逃げるように自室へ向かった。
部屋に入り、鞄を置くと、すぐにワンピースに着替える。
メイクを簡単に直すと、夕食をとるために1階のダイニングホールへと向かった。
「橋本様、どうぞ」
執事が席に案内をしてくれる。
テーブルの上のキャンドルにはすでに火が灯され、美味しそうな食事が並んでいた。
私は席に座り、周りを見回した。
カラ松さんはまだ来ていない。
「橋本様、本日は鮑のスープでございます」
執事が一人分のスープを運んでくる。
「あの、カラ松さんはどうされたんですか? 今日はお仕事ですか?」
「いえ、館の中にいらっしゃいますよ。ただ、どこにいらっしゃるかまでは把握できていないのですよ。この館も広いので。今日みたいに夕食になっても姿をお見せにならないことがたまにあるのです。橋本様はお気になさらずに」
「そうなんですか……」
私は誰もいない向かいの席を見つめた。