《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第23章 カラ松END〜洋館の主人とわたし〜(※)
「住み込みの従業員が何人かは戻ってきたが、それでも俺と彼らだけで暮らすにはこの洋館は広すぎる。一松も戻ってこなかったし、トド松ももういない。部屋が余って仕方ないんだ」
「あ、そういう意味ですか……」
私はあははと笑いながら、またワイングラスに口をつける。
もっと別の意味を想像していた。
てっきり、プロポーズ的な、同棲しましょう的なものかと……。
考え過ぎだよね。
カラ松さんが頷く。
「もちろん、部屋の問題だけじゃない。ゆりちゃんは、未来のマイ・ラブ・ワイフだから誘ったんだ」
「っ!?」
また、激しく咳き込む。
さすがに見兼ねたのか、執事が走ってきた。
「橋本様、お口に合わないようでしたら、無理はなさらずに……。もっと飲みやすいものをお持ち致します。それかジュースになさいますか?」
「いえ、口に合わないわけじゃなくて……。あ、でも、よかったらお水を頂けますか?」
私は残りのワインを慌てて喉に流し込んだ。
「かしこまりました。カラ松様が自ら山へ登って取ってこられた最高級の最上級の雪解け水がございます」
「っ!? ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ!」
私はさらに咳き込む。
「橋本様っ!?」
「すっ、すみません。不意打ちだったので……。危ないので、もう飲み物はやめておきます……」
執事がグラスを下げると、カラ松さんは全く動じずに私をニコニコと見た。
「フッ、そんなに喜んでくれるなんて嬉しいな」
「話が急すぎてついていけないのと、イタすぎてアバラが……」