《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第23章 カラ松END〜洋館の主人とわたし〜(※)
すかさず目の前のグラスにシャンパンが注がれる。
カラ松さんはグラスを持ち、キラキラとクソ顔をキメた。
「フッ、ラブなエンジェルに祝福されたギルトガイな俺と美しきカラ松ガールを愛する俺、そして、今宵の素敵な夜を過ごす俺、さらに二人の再会を祝う俺に……チアーズ!」
私は乾杯する代わりに胸を押さえた。
「あいたたた! アバラが! 結局、『俺』にしか乾杯してないし!」
執事が飛んでくる。
「橋本様、大丈夫ですか!? すぐにお医者様を……」
「いえ! そのくだりはもうやったので大丈夫です。乾杯は飛ばしてもらっていいですか?」
カラ松さんがフッと髪をかきあげた。
「オーケーだ! 乾杯も待てないなんて、カラ松ガールはよほどおなかが空いているんだな? さあ、好きなだけ食べてくれ」
「はぁ……」
目の前に出された前菜に手を伸ばす。
カラ松さんは、新しいグラスに赤ワインを注いだ。
「ところで、カラ松ガール。今日、招待したのは実は話があってな」
「話?」
「ああ。ゆりちゃん、この洋館に住む気はないか?」
私は飲みかけたワインを吹きそうになり、咳き込んだ。
「ここに私が!?」
カラ松さんは真剣な表情で頷いた。