《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第23章 カラ松END〜洋館の主人とわたし〜(※)
「カラ松さんってば、連絡先教えてあるんだから、わざわざ手紙を送ってこなくても……お礼状か何かかな?」
封を破いて、手紙を取り出す。
「えーっと、なになに……『我が麗しの美しきディーバよ、混沌としたクライシスを乗り越え、君と過ごすこの俺はまるで移ろいゆくミラージュ・オブ・ラブ……』ああ〜もう! 読みにくいっ!」
私は堪らず封筒と便箋を投げ捨てた。
「何これっ! 一行目の途中で既にアバラが痛いんだけど!」
私はキリキリと痛むアバラを押さえながら、封筒を拾った。
直接話すだけではなく、間接的な手紙でも相手のアバラに的確にダメージを与えられるなんて、カラ松さんの力は計り知れない。
その時、封筒からハラリと何かが床に落ちた。
「ん?」
拾ってみると、小さなカード。
『招待状』と書かれていた。
私はもう一度便箋に目をやった。
「えーっと、『一度、我が館でディナーを共に……特別な準備をして待っている……』なるほど……」
手紙の文のほとんどを読み飛ばし、必要そうな部分だけを読む。
つまりは、カラ松さんが食事に招待してくれたということだ。
確かにあの事件以来、バタバタしていてカラ松さんとは会っていない。
でも、小さい頃のことや、私をずっと探してくれていたことなど、積もる話はそれなりにある。
「せっかくだから、お邪魔してみようかな」
私は招待状を見つめ、頷いた。