《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第4章 ギルトな幽霊は館に潜む
「しかも、幽霊の姿を見てしまった人たちは、みんな呪いでアバラを骨折しているらしいんだ」
「骨折!?」
「もちろん、警察としては、『幽霊』なんて非現実的な結論で片付けるわけにはいかない」
「つまり、誰かが無断で入り込んでいる可能性があるんですね?」
「うん。もし、洋館に誰かいれば不法侵入の現行犯で確保してくれたまえ」
「分かりました」
幽霊は少し怖いけれど、洋館に行けば、一松さんの過去についても何か分かるかもしれない。
「頼んだよ、ゆりくん」
「はい」
私はチョロ松警部に敬礼した。
ふと、警部のデスクの下に紙切れが落ちているのが目に入る。
「あれ? 警部、何か落ちてますけど?」
「あぁっ、にゃーちゃんの限定プロマイド!?」
チョロ松警部が床に飛びついた。
「はぁーん! どうして落ちたんだろう! にゃーちゃん、ごめんね! 痛かったでしょ? もう落とさないからねっ! にゃーちゃーーーーん!!」
警部って、捜査の話をしている時は、威厳があって素敵なのにな。
女性が絡むとどうしてポンコツになるんだろう……。
床に這いつくばって、アイドルの写真にキスを浴びせる上司を置いて、私は部屋を出た。