《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第4章 ギルトな幽霊は館に潜む
『仮面の通り魔』か。
まさか一松さんじゃないよね?
私は頭に浮かんだ考えをすぐに取り消した。
いやいや、私ってば、何を考えているの?
ジェイソンの仮面なんて有名だから、どこにでも売ってるだろうし!
一松さんは、カラ松さんに貰った仮面を大切に部屋に置いている。
形見の仮面で犯罪なんてするはずがない!
「ゆりくん、首を振ってどうしたの?」
気づくと、チョロ松警部が目を丸くして私を見ていた。
「あっ……何でもないです」
「そう、ならいいけど。今から僕は通り魔の事件現場に行ってくるよ」
「はい。私は何かやっておくことありますか?」
「そうだな……」
チョロ松警部は麦茶のペットボトルを開け、一口飲んだ。
「君は洋館の様子を見に行ってくれないかな?」
「洋館? 殺人事件があった『あの』洋館ですか?」
心臓が跳ね上がった。
「うん。その洋館だよ。主人のカラ松氏が亡くなってから、空き家になっていてね。今は誰もいないはずなんだ。でも、最近、近所から複数の通報が入っている。夜な夜な幽霊が出るそうだ」
「幽霊?」
「ギターをかき鳴らすような音がしたり、歌声が聞こえたり、窓にバスローブ姿の怪しい人影が映ったりするらしい」
「まさか……」