《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第22章 おそ松END〜なごみ探偵とわたし〜(※)
「しっかりして下さい! えっちでも何でもしますから!」
おそ松さんが弱々しく笑う。
「マジで……? んじゃ、よろしく……約束な……」
「おそ松さん? おそ松さん?」
おそ松さんはゆっくりと目を閉じる。
せっかく自分の気持ちに素直になれたのに。
せっかく本当に愛せる人を見つけたのに。
「おそ松さん! 死なないで!」
私はおそ松さんに覆い被さって泣いた。
「って、まあ、死なないけどな」
おそ松さんがむくりと起き上がる。
私は顔を上げた。
さっきまで苦しそうにしていたおそ松さんが平然とこちらを見ている。
「え? あの? 撃たれたんじゃないの……?」
「ああ、撃たれたよ」
「じゃあ、何で……」
おそ松さんはコートを脱ぐ。
中から防弾チョッキが現れた。
「こういう時、お守りが胸ポケットに入ってて助かったとかだと、かっこいいんだけどな。ま、現実はそうは行かねぇよな。現場に行くと危ないこともあるから、いつもちゃんと防弾チョッキ着用してんの。チョロさんから貰った」
「はぁ……」
私はぽかんとおそ松さんを見つめる。
「何、その顔。納得してないの?」
「だって、刑事の私でさえ、防弾チョッキつけてないのに、おそ松さんがつけてるなんて生意気だなと思って……」
「つけろよ! 何でつけないんだよ! 危ないだろ!?」
「ゴワゴワしてるので……」