《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第22章 おそ松END〜なごみ探偵とわたし〜(※)
おそ松さんが照れくさそうに笑う。
「ゆりちゃん、なんか不穏な空気だけど、2回目のえっちは……?」
「するわけないでしょ!?」
叫んだ瞬間、それまでフザケていたおそ松さんの顔から急に笑いが消えた。
ん?
おそ松さんが私の腕を掴み、ぐいっと引き寄せる。
同時に銃声が耳をつんざいた。
「え? 何? おそ松さん……?」
目の前のおそ松さんが崩れ落ちる。
私は振り向いた。
和んでいたはずの細い男がこちらに向かって、銃を向けている。
私から奪った銃だ。
男は出口の方へ後ずさる。
「お、お前らが悪いんだからな! 俺たちは何も悪くない! おい! 行くぞ! 早く!」
その声を合図に女と太い男も走り出す。
銃を向けたまま、あっという間に病院の外へと走って逃げていった。
「おそ松さん……? 撃たれたの……?」
残された私は追う気にもなれず、倒れていたおそ松さんを抱き起こす。
「ゆりちゃん……」
おそ松さんは苦しそうに笑った。
「もしかして、私を庇ったんですか?」
「ああ……ほんっと……お前……刑事なんだから……しっかりしろよ……」
息も絶え絶えに喋るおそ松さん。
私はおそ松さんを抱き締めた。