《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第22章 おそ松END〜なごみ探偵とわたし〜(※)
「もう……おそ松さんのバカ……」
おそ松さんがオロオロする。
「え? ええっ!? 俺、なんでこの流れでバカって言われるの!?」
「別に……そう思っただけ……」
おそ松さんの背中に腕を回す。
温かい……。
私はおそ松さんの胸に顔を埋めた。
煙草の香りがふっと香る。
「ゆりちゃん、マジで? そんなことしたら、俺、狼になるけど?」
「そんな度胸ないくせに」
「っ……」
置き場に困って宙を彷徨っていたおそ松さんの腕が優しく私の背中に回された。
あ〜あ、流されまいと思っていたけど、結局、私、おそ松さんに流されている。
でも、今の私が流される相手はおそ松さんだけ。
やっぱり、おそ松さんには、そばにいて欲しいんだ……。
「私……本当は……おそ松さんのこと、結構、好きだよ……?」
おそ松さんが溜息をつく。
「いや、普通に好きって言えよ。何、その『結構』好きって。どゆこと? 余計な言葉が気になるんだけど」
「まあまあ、好き……」
「だから! 『まあまあ』も微妙だって!」
「それなりに、好き……」
「おい!」
おそ松さんが突っ込む。
「かなり、好き……」
「…………」
「すごく好き……いっぱい好き……誰よりも好き……大好き……」
おそ松さんがはぁ〜っと諦めたように息を吐いた。
「ったく、仕方ねぇな。俺も好きだよ……すごく……」
おそ松さんの腕に力が入り、私を強く抱き締める。