《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第22章 おそ松END〜なごみ探偵とわたし〜(※)
私は黙ったまま、廊下に置かれた医療用カートに視線を走らせる。
何を積んでる?
ここからでは見えない。
でも、このまま連れて行かれるなら、何をどこへ運ぼうとしているか把握できる。
大人しくしておいたほうがいい。
「このネーチャン、喋んねぇな。怖くて声出ないのか?」
「ちょっと待って。この子、何か腰につけてる!」
女性が私の体を弄った。
「拳銃だ……! 本物か?」
細い男が目を見開いた。
女が拳銃を取り上げ、私のポケットを探る。
中から出てきた警察手帳に三人は息を呑んだ。
「おい! こいつ、サツじゃねぇか!」
「ヤバイ! 顔! 隠さないと!」
「バカ! 今さら遅いわよ! もう見られてるんだから! とりあえず、早く縛って!」
男たちが素早く私を縄で縛る。
まずい……。
できれば移動を始めた後でバレて欲しかった。
ここでバレたら、下手したら……。
「なぁ、こいつどうする?」
「そうだな……口封じるしか……」
ヒソヒソと話す三人。
やっぱり、おそ松さんと一緒に来るべきだった。
まさか三人もいるなんて。
こんな時、いつものおそ松さんだったら、窓から突っ込んで来てくれるんだろうけど、カッコよく車で乗り付けろって注意しちゃったばかりだし。
きっと今頃は帰ってパチンコか、競馬か、アレな店にでも行ってるに違いない……。