《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第22章 おそ松END〜なごみ探偵とわたし〜(※)
「なんだ……気のせいじゃないのか?」
私はホッと息を吐く。
見つからずにやり過ごせる?
しかし、男が大声を出した。
「じゃあ、こっちだ」
瞬間、バタバタと足音が部屋を出て、第一診察室のドアが勢い良く開く。
考える間もなく、足音はベッドに一直線に向かってきて、カーテンをさっと引いた。
「おい! こっちだ! 第一の方にいた!」
頭の上で男が叫ぶ。
私はベッドの奥から引きずり出された。
他の二人も走ってくる。
「おお! こっちにいたのか。足跡は第二に入ってたように見えたのに。たまたまか? わざとなら、なかなか用心深いぞ」
「あら、若い女の子ね」
女性が私の顔を覗き込む。
私は三人を見上げた。
40代くらいの男女が私を見下ろしている。
「可愛いじゃん。オネーチャン、こんなところで何してんの? 隠れんぼにしては、たちが悪くねぇか?」
太った男性が私の頬をペチペチ叩いた。
私を引きずり出した男性だ。
「どうする? 聞かれちゃっただろ?」
痩せた男性が不安そうに残りの二人を見回す。
「ちょうどいいじゃん。遊ぼうぜ」
「だめよ。早くここを離れないと」
女性が顔を顰める。
化粧は派手だが、きれいな女性だ。
「じゃあ、連れて行くか……」
「それもありだな。連れて行ってどこかで楽しんでから捨てるか」