《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第22章 おそ松END〜なごみ探偵とわたし〜(※)
検問を始めたら厄介?
さては、この人たち、何か持ってるな……。
でも、ここらへんで検問ということは……。
「ちょっと待って」
女性が急に大声を出す。
私は考えを中断された。
「なんだ?」
男の不審そうな声。
「ねぇ……誰か来たみたい。ここらへんヒールの足跡がついてる」
私は思わず自分の靴を見る。
今日は革のヒールを履いていた。
「おお、ホントだな。俺たちの靴とは違うな」
「誰かが廃墟めぐりでもしたんじゃないか?」
「違うわよ……足跡は入ってきたきり。まだ出て行ってない」
三人は黙り込んだ。
まずい……。
相手は三人、うち二人は男性。
厳しい……。
「診察室の中だな……確認するか?」
第二診察室のドアが開けられる。
私は息を呑み込んだ。
「ん? 誰もいないぞ?」
「よく探せよ。隠れてるんじゃないか?」
廊下から細い声の男性が声を出す。
「ベッドは見た?」
女性の声。
「ああ……ベッドか……」
私は音を出さないようにじっと息を潜め、目を瞑る。
カーテンが勢い良くシャッと引かれた音が響いた。
「……いないな」